●豊川鉄道 →国鉄飯田線(豊橋〜大海/豊川〜西豊川)
●鳳来寺鉄道→国鉄飯田線(大海〜三河川合)

1943年8月1日買収

および
田口鉄道→豊橋鉄道田口線

<車輛解説 後編>
●電気機関車   
・豊川/鳳来寺デキ50・51→デキ50→ED28 1〜2
 1925年、イングリッシュ・エレクトリック+ブリティッシュ・ロコモティブ製で、特徴あるスタイルの凸型機である。鳳来寺がデキ50、豊川がデキ51を所有し、デキ50は1937年までデキ100であった。1952年の改番でED281〜ED282になった。
 1956年にED281は近江鉄道に譲渡され旧番のまま使用された後、1963年に沿線に工場が建設されたことで貨物輸送量が増大した山形交通高畠線に西武所沢工場経由で譲渡され、ED2になった。1974年に廃線になった後は、上山のリナワールドにモハ2と共に保存されている。
 一方ED282は1959年に遠州鉄道に譲渡された。貨物営業廃止後も、工事用として残り、現在も存命である。

 
左 山形交通高畠線ED2  (鳳来寺鉄道デキ50 保存) 2001年7月21日 リナワールド(山形県上山市)
右 遠州鉄道     ED282(豊川鉄道 デキ51)     1994年4月4日 西ヶ崎


・豊川デキ52→デキ52→ED29 1
 1927年、日車製の箱型(デッキ有)機である。特にこれと言った特徴は少ないが、砂箱を正面窓下に設置した点が変わっている。1952年改番ではED291になった。
 1959年に除籍され岳南鉄道に払い下げられた。番号もそのままで使用されていたが、同社の貨物輸送低迷から一時休車になる。しかし、大井川鉄道から購入したED103を再び同社に譲渡したため、予備車不足となり一線に戻った。しかし、予備で有ることには変わらず、また本線用機が入れ換えを行う形になり、今は余剰気味である。


岳南鉄道ED291(豊川デキ52) 1995年3月16日 岳南富士岡

・田口デキ53
 1929年日本車両製の箱型(デッキ無)機である。デキ52からデッキを取り払ったような感じである。1944〜1952年は国鉄に供出されていた。
 田口線廃線前の1965年に渥美線に転属、1968年の改番でデキ451に改番された。渥美線では主に本線での牽引機として使用されていたが、1984年に渥美線貨物営業廃止になり廃車。その後、かなり長い間、高師駅構内に放置されていたが、今は解体されている。

豊橋鉄道デキ451(田口デキ53 撮影時廃車 現解体)
1990年8月4日 高師

・デキ54→ED30 1→ED25 11
 デキ54はもともと豊川鉄道が日本車輛に発注したものだが、製造中に豊川が国に買収されたため、1944年に直接国鉄に入線した。私鉄籍を持たない社型である。キャブが長い凸型機で、近鉄に同型がいた。
 1952年改番でED301になり、1959年には宇部線に転属、1951年改番でED2511になった。1963年に電車牽引で貨物輸送を行っていた伊豆急行に譲渡され、番号変更もなく使用されたが、貨物廃止後は使われる機会も減少し、1994年に廃車になった。しかし、親会社の東京急行電鉄が引き取り、1995年に整備の上、長津田工場の入換機、ED301(車籍なし)となった。なお、ここで旧番が復活したのは、ED301のナンバープレートを裏返しにしてED2511のそれにしていたのを、ここでまたひっくり返したためである。その後、2009年に使用が終了し解体された。

伊豆急行ED2511(豊川が発注→国鉄デキ54 現.東急長津田工場ED301)
1994年7月21日 伊豆高原

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