◆移籍車 1995〜2003年度導入 その3


 続いて2000年以降に入った、もと京浜急行、川崎市営、東武鉄道と、1995〜2003年度の間に1両のみ移籍した事業者の車両を取り上げる。 1999〜2004年度は新車の投入がストップした電鉄であるが、移籍車の導入数も年を追うごとに減り、2001年度5両、2002年度4両、2003年度2両となっている。  

 
・もと京浜急行電鉄

 京浜急行からの移籍事例は全国的に幾つか見られたが、それほど多いわけでもなかった。しかし、低床化を早くから進めたこともあるのか2000年代に入る頃から徐々にその数を伸ばしてゆく。電鉄には2000〜2001年度に中型車ばかり7両が入っている。いずれも富士6Eを架装しているが、車台は日デといすゞの2メーカーが存在する。移籍に際して、屋上のベンチレータを撤去しているのが特筆される。

 水戸200か126

日デP-RM81G +富士6E 1988年9月製・2000年度移籍
2001年5月 日立南

中扉の上の蛍光灯が斜めに取り付けられているのは京浜急行のバスの特徴。側面の行き先表示は位置を変えずに大型化・LED式に改造されており、これは他のもと京浜急行の車両に共通している。
 

 水戸200か133

日デP-RM81G +富士6E 1988年3月製・2000年度移籍
2003年1月 日立駅
 

 水戸200か170

いすゞP-LR312J +富士6E 1989年3月製・2000年度移籍
2001年5月 神峰

いすゞLRは蛍光灯が傾いていないのは導入年度による差か?
 

 水戸200か180

いすゞP-LR312J +富士6E 1989年3月製・2000年度移籍
2001年5月 日立駅
 

 水戸200か263

いすゞP-LR312J +富士6E 1989年3月製・2001年度移籍
2015年3月 日立駅
 

 水戸200か281

いすゞP-LR312J +富士6E 1989年3月製・2001年度移籍
2006年4月 日立南
 

 水戸200か283

いすゞP-LR312J +富士6E 1989年3月製・2001年度移籍
2002年1月 日立南

 
・もと川崎市交通局

 移籍車の需要が高まる中、1998年に車両の放出を開始したのが川崎市交通局である。
北関東の事業者にも移籍事例が相次いだが、電鉄には1989年式のいすゞの大型車2両が2000年度に入ったのみである。
同局は昭和58年排ガス規制のいすゞ車は全て富士架装であるが、施設の都合で富士7Eが登場した後も1台を除き5Eを架装していた。

 水戸200か128

いすゞP-LV314K +富士5E 1989年6月製・2000年度移籍
2004年1月 日立南

川崎市交のP-LVは、軸距4.67mのショートオーバーハング仕様が選択されていた。
 

 水戸200か132

いすゞP-LV314K +富士5E 1989年6月製・2000年度移籍
2011年8月 日立南

 
・もと東武鉄道

 東武鉄道の路線バスは、かつては北関東3県に跨る巨大な路線網があったため、車両の使用年数も長めであった。しかし1990年代に進められた路線廃止及び子会社への委譲の結果、路線網は南関東の都市部と日光だけに縮小し、保有車両の車齢も大幅に引き下がった。結果、1999年頃から移籍するようになる。なお、東武は2002年にバス事業を地域別に分社し東武バスグループとしている。
 電鉄には日野の大型が2両、2003年度末に移籍している。3扉車を選択したことが特徴で、後扉を閉鎖・座席を取り付けて前中扉の車両として使用していた。

 水戸200か507

日野U-HT2MMAA +日野車体 1993年製・2003年度移籍
2009年8月 日立駅

東武では大宮周辺に配置されていた。側面の行き先表示が2か所にあったのが特徴であったが、前扉直後を大型化・LED化し、後扉直前は機械ごと外した状態にしている。

 

 

 
2009年8月 日立駅

 

 水戸200か508

日野U-HT2MMAA +日野車体 1993年製・2003年度移籍
2005年12月 日立南

 
・そのほかの事業者

 水戸22か2067

いすゞP-LR312J +IK 1989年4月製・1997年度移籍
1998年8月 日立駅

もと京成電鉄。
送迎輸送の専用車となっていたため、当時の京成では異例の8年で廃車になったもの。
 

 水戸22あ2105

日野U-RJ3HJAA +日野車体 1991年製・1997年度移籍
1998年8月 神峰

もと山形県最上郡最上町(80条バス)。
同町は山形県に北東部に位置する。車齢6年程度で廃車になったことになる。 移籍当初は液晶式の行き先表示を試験的に採用していた。
 

 水戸22あ2166

日デP-RM81G +富士6E 1987年3月製・1998年度移籍
2001年5月 日立駅

もと岳南鉄道。
同社は1998年3月限りで路線バスから撤退したが、車両はその殆どを親会社の富士急行が引き取った。 この車両は唯一系列外に移籍した。なお富士急(分社)経由で電鉄に移籍した車両は次項を参照願う。 前扉直後に側面方向幕があったが、移籍時に後扉前の窓と入れ替え、大型化している。
 

 水戸200か173

日野P-RJ172CA +日野車体 1989年3月製・2000年度移籍
2001年5月 日立駅

もと京阪バス。
同社のバスは北関東でも積極的導入した事業者が複数存在するが、電鉄に移籍したのはこれのみ。前面左側面側の安全確認窓などに特徴がある。側面の行先表示は後扉直前の窓下に設けられていたが、移籍時に埋め前扉直前の窓内に大型のものを新設している。
 

 水戸200か175

日野P-RJ172BA +日野車体 2000年度移籍
2007年12月 日立南

もと関越交通。
沼田よりも奥地で使用されていた車両で、早期に廃車となったもの。移籍までにブランクが生じている。 P-RJ_BA系路線車では珍しいサブエンジン式のエアコンで、屋上がスッキリしている。

 

 

 
2001年5月 日立南

エアコンがエンジン直結式でないため、リアの下部の出っ張りがない。
 

 水戸200か385

いすゞKC-LR333J +IBUS 1997年12月製・2002年度移籍
2015年3月 日立駅

もと自家用。
その製造時期と廃車時期から長い間、兵庫県の某社からの移籍車と勘違いされてきた。同じ2002年度に移籍してきた、もと送迎輸送用の2台と比べると、いたって大人しい仕様。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  inserted by FC2 system