◆移籍車 2004〜2006年度導入


 2005年3月31日限りで電鉄は鮎川〜大甕〜常北太田の鉄道線を廃止する。この代替として2004年度末に8両の移籍車が導入される。数年ぶりにまとまった両数であったが、これらは全て中型車であった。2005年度は新車が久々に1両導入されたが、移籍車も9両と多かった。その大半が大型車であったことも特徴である。
 その反動かどうかは判らないが、2006年度は5両で大型2・中型3と比較的小規模なものとなり、その後2年度間は移籍車の導入がストップしている。

 
・もと南海電気鉄道

 鉄道線の代替用に導入された中型車は各社から集められたが、その中で5両と多数を占めたのが、もと南海電気鉄道(2001年10月以降は分社されて南海バス)の車両であった。同社の車両は2003年頃から徐々に譲渡例が出てくるようになっていた。その後も電鉄への移籍車は増え中型のみならず大型車も移籍した。このうち3両が3扉車で、もと東武の車両と同じく後扉を締切にして座席を取り付けている。
 なお、電鉄に移籍したのは中型・大型問わず全て日野で、窓はメトロ窓となっている。
 

 水戸200か585

日野P-RJ172CA +日野車体 1989年製・2004年度移籍
2011年8月 日立駅

南海から移籍した中型は昭和58年排ガス規制のP-RJ_CA系と平成元年排ガス規制のU-RJ系が存在したが、外観上は特に差はない。 後扉の下半分にも窓が設けられているのが特徴。
 

 水戸200か591

日野U-RJ3HJAA +日野車体 1993年製・2004年度移籍
2016年8月 日立駅

側面方向幕の位置は変わっておらず、LED式に改造したのみである。
 

 水戸200か592

日野U-RJ3HJAA +日野車体 1993年製・2004年度移籍
2017年4月 日立駅
 

 水戸200か593

日野U-RJ3HJAA +日野車体 1993年製・2004年度移籍
2005年8月 多賀駅
 

 水戸200か594

日野P-RJ172CA +日野車体 1990年製・2004年度移籍
2005年8月 日立南
 

 水戸200か640

日野U-HU2PMAA +日野車体 1994年製・2005年度移籍
2006年3月 神峰

エアサスの長尺車(軸距5.67m)・3扉車で、南海では関西空港で使用していた。そのため、車内は右側面側がロングシート、左側面側が前向きシートとなっている。
 

 水戸200か670

日野U-HU2PMAA +日野車体 1994年製・2005年度移籍
2011年8月 日立駅

南海から移籍した3扉車は、もともと前扉直後に方向幕があったが、これを取り外し中・後扉間にLED式のものを新設している。この部分はもともとメトロ窓一組であったため、隣接する窓も固定窓に改造されている。
 

 水戸200か671

日野U-HU2PMAA +日野車体 1994年製・2005年度移籍
2019年1月 日立市幸町3丁目(海岸工場入口)

 

 

 
2009年8月 日立駅

南海のHT・HUの特徴は、リアのナンバープレートをバンパーに取り付けていた点にある。
 

 水戸200か676

日野U-RJ3HJAA +日野車体 2005年度移籍
2019年1月 大みか駅
 

 水戸200か686

日野U-HT2MMAA +日野車体 1993年製・2005年度移籍
2006年8月 日立駅

南海の大型車でも一般的だった、リーフサス・中間尺(5.2m)で前後扉の車両。電鉄に移籍したのは1両のみで、早めに廃車になっている。
 

 水戸200か736

日野U-RJ3HJAA +日野車体 2006年度移籍
2016年3月 日立市幸町1丁目(平和町)
 

 水戸200か746

日野U-RJ3HJAA +日野車体 1993年製・2006年度移籍
2015年3月 日立駅

 

 

 
2015年3月 日立駅

 
・もと川崎鶴見臨港バス

 臨港バスは、1990年代から比較的移籍する車両が多い事業者であるが、電鉄に入ったのは南海と同じく鉄道線廃止のときだった。 その後は2年にわたり大型車が数両入っている。いずれも、車台はいすゞで、車体はIKと富士の両方が存在している。

 水戸200か589

いすゞU-LR332J +富士6E 1991年1月製・2004年度移籍
2016年3月 日立市幸町1丁目(平和町)

導入当時の臨港バスでは少数派だった中型車。側面の行き先表示はもともと中扉戸袋前にあったが、中扉直後の窓と入れ替えてLED化している。電鉄には富士6E架装車は色々と存在したが、U-LR系への架装例はこの1両のみだった。
 

 水戸200か698

いすゞU-LV324K +富士7E 1993年1月製・2005年度移籍
2009年8月 日立駅

大型は特に方向幕の位置等の改造を受けていない。臨港のU-LVは、軸距4.67mのショートオーバーハング車を採用していた。
 

 水戸200か752

いすゞU-LV324K +IK 1994年6月製・2006年度移籍
2009年8月 日立駅

 

 

 
2009年8月 日立駅
 

 水戸200か760

いすゞU-LV324K +IK 1994年6月製・2006年度移籍
2011年8月 日立南

 
・もと千葉中央バス

 昭和54年排ガス規制の初頭まではポツポツと移籍例が存在したものの、その後は中型がたまに出てくるくらいだったのが京成系列の千葉中央バス。 電鉄では久しぶりの大型車の移籍事例であった。同じ年度に守谷駅〜日立市内の高速バス開設にあたり同社から貸切車が1両移籍していることも関係しているのかもしれない。
 同社の一般路線車は殆どがいすゞで車体は富士とIKの2社が存在したが、電鉄に移籍したのは全て前者である。

 水戸200か643

いすゞU-LV324L +富士7E 1992年5月製・2005年度移籍
2011年12月 日立駅

千葉中央バスのLVは関東地方に多い軸距5.0m級であるが中扉が前寄りのため、戸袋の前位の窓が細幅の固定窓になっているのが特徴。

 

 

 
2005年12月 日立南

リアの方向幕が大型なのは、千葉県のバス事業者の多くで見られる特徴だった。電鉄への移籍後もLED化はされたが筐体はそのまま使用された。
 

 水戸200か644

いすゞU-LV324L +富士7E 1992年5月製・2005年度移籍
2011年8月 日立南
 

 水戸200か685

いすゞU-LV324L +富士7E 1992年5月製・2005年度移籍
2006年3月 日立南

 
・そのほかの事業者

いずれも、鉄道線代替時に投入された移籍車である。

 水戸200か584

日デU-RM210GSN +富士8E 1991年9月製・2004年度移籍
2011年8月 日立南

もと岳南鉄道→富士急行(富士急静岡バス)。
前項では岳南の事業廃止時に直接移籍したP-RMを掲載したが、こちらは親会社の富士急に移管された車両。2001年3月以降は分離子会社の富士急静岡バスに異動していた。
側面の行先表示は位置を変えずに一段の固定窓になり、その内側の上半分にLED式のものを取り付けている。
 

 水戸200か588

三菱ふそうU-MK117J +呉羽 1991年4月製・2004年度移籍
2005年8月 日立南

もと島根県隠岐郡西ノ島町(80条バス)。
鉄道線代替時に投入された8両の中でも謎の存在だった車両。島根県は隠岐諸島の島前、西ノ島の80条バスから移籍した。電鉄の一般路線車では、唯一の都営バス以外の三菱ふそうでもある。
側面の行先表示の設置方法は水戸200か584に同じ。この2両だけの改造パターンである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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