◆移籍車 2009〜2017年度導入 その2


 2014年度になると、移籍車は平成10年排ガス規制(KK-)適合になる。この年度は日野の中型のみであったが、翌2015年度からはKK-適合に合わせてモデルチェンジしたいすゞの中型「エルガミオ」の移籍がはじまる。電鉄では2005年に平成15年排ガス規制車(PA-)から導入開始しているが、この時期にKK-の車両が各社から大量に移籍している。ノンステップ車も含まれ、移籍車でも低床化がより推進されることになる。
 一方で純粋な大型車の移籍は無かったが、中型より一回り大きいいすゞエルガLT(9m大型車)が移籍している。エルガLT/エルガミオの移籍車は合わせて18両となり一気に勢力を拡大。自社発注のエルガミオ・レインボーIIとあわせて38両となり見かける機会も非常に多くなった。

 
・もと千葉内陸バス

 千葉駅から四街道市にかけて路線を拡げる京成系列の事業者。
かつては日野の大型長尺車・前後扉を多数保有していたが、電鉄には少数派の中型車が3年度にわたり移籍している。
いずれも平成10年排ガス規制適合の日野のワンステップ車だが、仕様は2種類がある。

 水戸200か1478

日野KK-RJ1JJHK +日野車体 2000年製・2014年度移籍
2015年8月 日立市幸町1丁目(平和町)

千葉内陸バスは平成元年排ガス規制車(U-)で逆T字窓を採用していたが、平成6年排ガス規制車(KC-)の途中から2段窓に戻っている。
 

 水戸200か1525

日野KK-RJ1JJHK +日野車体 2000年製・2014年度移籍
2016年3月 日立市幸町1丁目(平和町)

 

 水戸200か1665

日野KK-RJ1JJHK +日野車体 2002年製・2015年度移籍
2018年8月 日立駅

2002年製で窓が逆T窓になる。

 

 

 
2017年4月 日立駅

 

 水戸200か1691

日野KK-RJ1JJHK +日野車体 2002年製・2016年度移籍
2018年8月 日立駅

 
・もと国際興業

 国際興業バスの車両は、かつてはほぼ系列内にのみ移籍していたが、平成元年排ガス規制末期の車両あたりから系列外への移籍例が爆発的に増えている。いすゞの販社を抱えるため、原則として同社製の車両のみを採用することで知られる。
電鉄に移籍したのは中型のみでいずれもワンステップ車であるが、軸距の長短、排ガス規制、エアコンの位置など意外にバラエティがある。

 水戸200か1554

いすゞKK-LR233F1 +IBUS 2015年度移籍
2016年8月 日立駅

国際興業でも1台のみの存在だった軸距3.8m車。電鉄のエルガミオでも唯一である。なお電鉄のエルガミオは前面窓下は一番下が白く塗られるが、この車両以降それが省略されてバンパー直上まで青で塗られている車両が出現している。

 

 

 
2017年4月 日立駅

 

 水戸200か1558

いすゞKK-LR233J1 +IBUS 2015年度移籍
2015年8月 日立市幸町1丁目(平和町)

こちらは一般的な軸距4.4m車であるが、2002年度製のため屋上のエバポレータが車体中央に近い位置にある。
 

 水戸200か1693

いすゞKK-LR233F1 +IBUS 2016年度移籍
2016年8月 日立駅

電鉄に最も多く移籍したのが2003年度製の軸距4.4m車。屋上のエバポレータの位置が前より。
 

 水戸200か1860

いすゞKK-LR233F1 +IBUS 2017年度移籍
2019年1月 大みか駅
 

 水戸200か1899

いすゞPA-LR234J1 +JBUS宇都宮 2017年度移籍
2019年1月 日立市幸町1丁目(弁天町)

電鉄のエルガミオの移籍車では唯一の平成15年排ガス規制車(PA-)。また、灯火規制対応で側面に反射板が取り付けられている。
 

 水戸200か1912

いすゞKK-LR233J1 +IBUS 2017年度移籍
2018年8月 日立駅

 
・もと京浜急行電鉄

 2000〜2001年度の日デRM・いすゞLR以来の移籍となった。
車種はいすゞのエルガLTで、電鉄の一般路線車で9m大型が採用されるのは、少なくとも1980年代以降ではこれが初のはずである。いずれもワンステップ車である。
なお、京浜急行のバス事業は2003年10月に分離されて京浜急行バスになっている。

 水戸200か1571

いすゞKK-LT233J2 +IBUS 2002年製・2015年度移籍
2016年8月 日立駅

エルガLTは車両総重量が12t前後であるため、平成10年排ガス規制(KK-)と平成11年排ガス規制(KL-)のどちらかになるかは、その時々による。先に入った2002年製の2両はKK-の模様。
 

 水戸200か1572

いすゞKK-LT233J2 +IBUS 2002年製・2015年度移籍
2019年3月 大みか駅

エルガLTは車幅・タイヤとその周辺は大型のエルガに準じている。エルガミオ各車と比較されたい。
 

 水戸200か1625

いすゞKL-LT233J2 +IBUS 2003年製・2015年度移籍
2019年3月 多賀駅

2003年製の2両はKL-の模様。
 

 水戸200か1660

いすゞKL-LT233J2 +IBUS 2015年度移籍
2018年12月 日立駅海岸口

 
・もと新京成電鉄(松戸新京成バス)

 1998年度以来17年ぶりに新京成から車両が移籍した。同社はもともと中型は少数派でメーカーも日デでのみであったが、2000年代に入ると状況は一変し中型車の大量導入がはじまる。また、大型車はいすゞが配置されていた松戸営業所にはエルガミオが投入されるようになった。
 電鉄には2016年度にエルガミオが5両移籍している。いずれもノンステップ車である。なお、新京成のバス事業は2003年10月に営業所単位で分割分社され、松戸営業所は松戸新京成バスになっている。電鉄には分社前、分社後それぞれで導入された車両が移籍している。

 水戸200か1744

いすゞKK-LR233J1 +IBUS 2016年度移籍
2018年3月 日立駅
 

 水戸200か1746

いすゞKK-LR233J1 +IBUS 2016年度移籍
2018年12月 大みか駅
 

 水戸200か1748

いすゞKK-LR233J1 +IBUS 2016年度移籍
2019年3月 日立駅
 

 水戸200か1804

いすゞKK-LR233J1 +IBUS 2016年度移籍
2017年8月 日立駅
 

 水戸200か1805

いすゞKK-LR233J1 +IBUS 2016年度移籍
2019年3月 日立駅

 
・そのほかの事業者


 水戸200か1604

いすゞKK-LR233J1 +IBUS 2015年度移籍
2017年4月 日立駅

もと近鉄バス。ワンステップ車。
従来日野ばかりを導入していた近鉄だが、バス事業が分社された2000年頃からいすゞ車の投入がはじまる。側面の行先表示が中扉直後にあるので、電鉄に移籍したエルガミオの中では見分けやすい。
 

 水戸200か1806

いすゞKK-LR233J1 +IBUS 2016年度移籍
2019年2月 日立市幸町1丁目(平和町)

もと立川バス。
同社が導入したKK-のエルガミオはワンステとノンステがあったが、電鉄に移籍したのは後者。もと新京成と仕様は似ているが、屋上のエアコンの位置およびバックミラーのステーなどが異なる。
 

 水戸200か1904

いすゞKK-LR233J1 +IBUS 2017年度移籍
2018年8月 日立駅

もと千葉中央バス。ワンステップ車。
2006年度のU-LV324L以来の移籍となった。もと近鉄と似た仕様だが、屋上のエアコン・換気扇などが異なる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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