・蒼いモスクの話


トルコは、国民の99%がイスラム教(スンニ派が多数)を信仰しています。
いくら世俗化が進んでいるとはいえ、信仰の中心となるのは大切なところ。
市内のあちこちに、礼拝所・・・つまりモスクがあります。
トルコのモスクは丸いドーム型天井を持つものが多数で、見ごたえがあります。

その中でも、最も有名なのがスルタンアフメト・ジャーミー。通称ブルーモスクでしょう。
その名の通り、オスマン帝国のスルタンだったアフメトの命により建設され1616年に完成したもの。
ミナレト(塔)が6本あるのが特徴で、世界遺産にも指定されています。
フォト ちなみに、ブルーモスクは丘の上にあるので、割と目立つのですが、この6本のミナレトが
角度によっては重なって見えて4本になったり5本になったり・・・「千住のお化け煙突」ってこういう感じだったのかなあ・・・と異国で昭和30年代の東京を考えてみたり。

さて、私が泊まったホテルはブルーモスクから徒歩5分という好立地。
朝食も済ませ、8:15分頃に外に出てみると・・・

何ですか? 平日の朝から、この観光バスの大群は!
しかも、降りてくる客は、みなモスクの敷地へと吸い込まれてゆくではないか。
ということで、中に入ってみれば、この有様。

予想通りの長蛇の列。ということで初日の初っ端から早速の30分待ちとなりました。
おまけに朝から30℃近い暑さで、既にバテそうな感じ。ミネラルウォーターがガンガン減ります。
並んでいる人々は団体客あり個人客あり、で、バラバラ。
手に持っている本を見れば、フランスありイタリアありドイツあり、はたまたハングルありアラビアあり・・・。欧州と中近東の中間であるという地勢的な面でも外国から観光客を迎えやすい土地柄なんでしょう。
このあとも、長蛇の列は数回経験しましたが、これが本当の観光都市だと体感しました。
京都や奈良で国際観光地とのたまうのは、井の中の蛙もいいところなのです。
(ちなみにトルコを訪れる外国人観光客数は約2700万人、日本はその3割程度の800万人台でこの数値は南アフリカよりも少ない)。

まあ、それはともかくとして、漸く列も進んだので靴を脱ぎ、中に入りました。
(女性の方は、ここでイスラムの教えに従い、肌の露出を押さえます)。
いよいよ人生初モスク。

目の前に広がるのはこんな風景でした



とにかく、スケール感が違います。
高い天井、奥ゆきのある空間。
イズニックタイルの美しさと、ステンドグラスから差し込む光。
おもわず圧倒されたまま、しばしポカーンと口を開けたまんまとなりました。

さて、教会や寺、神社と違って、モスクはあくまで礼拝施設。
つまりメッカの方角を向いて、お祈りをする場なのです。
また、イスラームは偶像崇拝を禁止していますから、この中には具体的にモノを象ったものはなく、幾何学模様となっています。これがまた、独自のシャープな美しさを産みだしていると感じました。
ちなみに、上の階段は画像はミンバルといって、説教をするところ。
ということで、このブルーモスクは現役の宗教施設なので、見学者はある一定の線より前には出られません。(ちなみに一日5回の礼拝の時間は見学不可)。 従って、振り返ると、こんな具合。

いや・・・、もう人・人・人です。木造建築だったら床が抜けそうです(笑)。
そして、みんな上ばっかり見ているんですね。
なんたってトルコですから、下に敷かれている絨毯もフカフカで気持ちいいのに、みんなあんまり気にしていない様子でした。

外に出ると、なにやら日本語の声が
「オニイサン、ニホンカラキタノ? トウキョウ? オオサカ?」
適当にあしらっていると
「ジュタン?ホシクナイ???」

でたー!!! 早速、絨毯押し売り業者登場。
「いらないいらない・・・」で以降徹底無視!!
ここ、スルタンアフメト地区では、毎日のように彼らに辟易させられました。

有名観光地のお話はこの程度にしまして・・・

▼ 日土友好の話 へ

▲ イスタンブールの想い出 表紙へ inserted by FC2 system