◆神奈電の概要 1988年8月現在


神奈川電気鉄道は、第2次大戦中の1942年に4っつの鉄道事業者などが合併して成立した。
普通鉄道5路線・総延長77.2kmを有する。
全路線、軌間は1067mm。使用動力は電気、架線集電式で電圧は直流1500Vである。
ただし各線の経緯から使用できる車両の大さが異なる。
他に、鋼索線(ケーブルカー)0.8km存在する。



※Googleのマイマップ上に描いてみました 神奈川電気鉄道 路線地図(別画面で開きます)。

5つの路線は、3つの路線群に分かれている。
それぞれおよび鋼索線について簡単に説明する。

 愛甲線 (あいこうせん)平塚中央〜半原28.8km
 JR東海道線平塚駅前にある平塚中央を起点に相模川右岸を北上し厚木へ、
そこから北北西に進路を変え山間に入り荻野・愛甲田代を経て半原へ至る。
基本的に全線単線だが、平塚中央〜松原は単線並列で、片方を愛甲線、もう一方を秦野・大山線が占用する。
もと愛甲鉄道で、神奈電の本線格的存在。20m級車が入線可能である。

 相北線 (そうほくせん)淵野辺〜津久井川尻12.1km
 中津線 (なかつせん)上田名〜愛甲田代10.5km
 相北線はJR横浜線の淵野辺を起点に、上溝を経て上田名へ至り、相模川左岸に沿って津久井川尻に至る。
 中津線は、上田名で分岐して水郷田名で相模川を渡り愛甲中津へ、進行方向を変えて愛甲田代に至る。
もと相北電気鉄道で、通常は両路線を合わせて、相北線と称する。

 全線単線。中津線は、3回にわたり河岸段丘の段丘崖を昇り降りする関係上、最大勾配40‰、最小曲線R=120mとなっている。
このため、入線できる車両は全長19m未満に限られる。

 秦野線 (はだのせん)松原〜秦野町14.2km
 大山線 (おおやません)豊田本郷〜大山下11.6km
 秦野線は愛甲線の松原から分岐して西進。金目川に沿って秦野に至る。
 大山線は豊田本郷で分岐して北上、伊勢原を経て山間に入り大山下に至る。
ただし、全列車起点は平塚中央で、前述の通り平塚中央〜松原は愛甲線が単線並列になっている。
もと秦野電気軌道および大山電気軌道。社名の通り、開業時は軌道線であった。

 基本的には単線であるが、両路線の列車が輻輳する松原〜中原御殿は、複線である。
大山線は下大竹以遠、とりわけ伊勢原片町〜大山下の標高差が大きく、最大勾配40‰、最小曲線R=90m。
また、秦野線も上大槻〜秦野町間に最小曲線R=90mが存在する。
この関係で、入線できる車両は全長16.5m未満に限られる。

 鋼索線 ケーブル大山〜下社0.8km
 大山・阿夫利神社(下社)および大山寺(不動)への参詣客を対象にするケーブルカー。
第2次大戦中に不要不急線に指定されで休止していたが、戦後、1965年に復活した。
大山線の大山下とは直接連絡していない。バスと徒歩による連絡が必要である。


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