第7輯.忘れられた車両  〜地方私鉄の貨車いろいろ〜

 現在、貨物営業を行っている地方私鉄は数少なくなりましたが、かつては、どこの会社でも一般貨物輸送が行われていました。そこでは、国鉄乗り入れ車に混ざって自社発注の車両たちが活躍していました。貨物廃止以前より、廃車が進み残っているものは少ないのですが、事業用として残るもの、また廃車後も倉庫として使用されているものもあります。なお廃車体については、下回りが残っているものに限定しました。


津軽鉄道トム1
1929年 日本車輛

以前はどこでも見られたが、
今では貴重品になってしまった、観音開き式のアオリ戸を持つ貨車

97-8-25 嘉瀬
弘南鉄道ワム34(廃車体)
1960年 日本車輛

ワム90000系をモデルとした貨車もかつては全国で見られた。
この車輛は、もと秋田中央交通の車輛としても貴重である

97-8-25 平賀(弘南線)
十和田観光電鉄トラ302
1962年 川崎車輛

背の高い妻構からわかるように、国鉄トラ40000と同型

95-9-5 七百
くりはら田園鉄道ワフ74
1914年 天野工場

大正時代製造の有蓋緩急車で
もと武蔵野鉄道ワブ6→西武鉄道ワブ14で1959年に入線した。
手ブレーキカバーなど、昔の「ワフ」の典型的スタイルをしている。

95-9-6 若柳
上信電鉄 テム1
1961年 富士重工製

石灰石輸送をしている事業者ではよく見られたスチール有蓋車


98-5-5 高崎
北陸鉄道ホム1
1961年 西武所沢工場

2軸のバラスト散布用ホッパ車というのも珍しい
西武所沢工場製・・とは言うものの
下回りはどうも明治期の石炭車の流用らしい。

96-10-6 鶴来(石川線)
福井鉄道ホサ2
1930年 浅野造船所

もと浅野セメント所有(車籍は武蔵野鉄道→南武鉄道)のヲサフ1型(買収後は国鉄セサフ1型)で、車掌室は撤去してある。
戦前製オアカーの生き残りとして貴重な存在だったが、現在は廃車

96-10-8 福井新
一畑電気鉄道ト60
1935年 日本車輛

ごくごくノーマルな無蓋貨車

93-8-16 平田市
熊本電気鉄道ナ4
1943年 自社

ナは魚運車ではなく長物車のこと
台車などに古典の香りがする。
914mm時代の車両の改造か??

99-8-25 北熊本


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