◆移籍車 もと日栄運輸倉庫・淡路交通・成田空港交通


・日栄運輸倉庫

 川崎市の臨海部に立地する日本鋼管(NKK)京浜製鉄所は、その広大な敷地を移動するために構内移動用のバスを多数運行していた。
これを担っていたのが同社の関連会社の日栄運輸倉庫であった。
車両は構内専用の登録ナンバーなし車と緑ナンバー付きの車があったが、いずれも大型車。シャーシは4メーカーすべてが存在し、車体はシャーシを問わず富士重工が架装したものが多かった。
特筆すべきは、構内環境の過酷さゆえかあり6〜7年程度で廃車にしていた時代がある。
東野にはこの頃に、日野、ふそう、日デの車両が移籍した。とりわけ、導入時はふそう、日デ共に少数派であり、ふそうはその後順調に勢力を伸ばしたが、日デは長らく唯一の存在であった。
また移籍時の車齢の若さゆえか、各車両とも移籍車が短命の時代であっても移籍から10年近く使用された。

なお、日本鋼管は川崎製鉄と2002年に経営統合しJFEになり、京浜製鉄所はJFEスチール東日本製作所川崎地区となっている。
また日栄運輸倉庫は数度の変遷ののち、JFE物流京浜となっている。車両は2000年代に入ると自社発注を辞めて路線バスの移籍車を導入するようになっていたが、最近は再び新車を導入している。

※ここでは撮影できた車両のみを紹介します。

 栃木22う479

日野P-HT235BA +富士5E 1991年度移籍
1998年4月 黒磯駅前
 

 栃木22う480

三菱ふそうP-MP218M +富士5E 1985年式・1991年度移籍
2000年3月 西那須野駅東口
 

 栃木22う489

日野P-HT235BA +富士5E 1991年度移籍
1999年7月 黒磯駅前
 

 栃木22う626

日野P-HT235BA +富士5E 1985年式・1992年度移籍
2000年3月 上河原町
 

 栃木22う638

日デP-U32N +富士5E 1986年式・1992年度移籍
1999年1月 大田原

日デだけは、軸距が長く5.5m級であった。
 

 
・淡路交通

兵庫県の淡路島に路線を持つ淡路交通。
かつて、バスマニアの間では車両が短命であることで知られ、車齢7年程度で廃車にしていた。
このため昭和58年規制の車両以降は各地への移籍事例が相次いだ。しかし、継続的に購入する事例は平成6年規制の車両が神姫バスに入るまではほぼ無く、どの事業者でも散発的な事例にとどまっている。
東野も、1993年度に2台が移籍したもののその後は続かなかった。
 

 栃木22う733

いすゞP-LV314M +IK 1993年度移籍
1997年9月 宮の橋

側面の方向幕を移設せず使用していないのは、京阪からの移籍車に同じ
 

 栃木22う736

いすゞP-LV314M +IK 1993年度移籍
1999年1月 西原

 
・成田空港交通

 京成電鉄の子会社の一つに、主に成田空港に関連した輸送を行う成田空港交通がある。
同社は現在の東成田駅が成田空港駅だった頃、同駅と第一ターミナルビルの連絡バスを運行しており多数の車両を保有していた。
しかし、1991年に現・成田空港駅が開業すると殆どの車は余剰となり各地へ移籍した。

東野へはそのあとも残っていた1台が1997年度に移籍している。
ふそうの大型でエアサス車。空港輸送用ということで車内に英語の注意書きが残るなど特徴のある車両だった。
 

 栃木22う1101

三菱ふそうP-MP618M +三菱 1997年度移籍
1999年1月 真岡
 
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