神奈川電鉄をたずねて
◆愛甲線の列車運行

日中は30分に平塚中央〜半原と平塚中央〜愛甲田代を1本づつ運行し、愛甲田代行きは同駅で愛甲田代〜八王子系統と接続する。
総合的に見ると15分ヘッドでの運行になる

平日朝は、旅客が集中するために鳶尾山口→厚木の区間運転が30分毎に増発される。
 なお、愛甲線の旅客流動は、平塚と厚木の2箇所に流れる。両市に点在する高校は通常の8時30分開始で、7時30分〜8時頃に両駅を通過するが、沿線に点在する工場は8時始業のものが多く、また京浜方面への通勤客も厚木・平塚を7時30分頃に通過するため、愛甲線の朝ラッシュは通常の鉄道よりも1時間ほど早くピークがある。このため、この増発列車は午前7時代に設定されている。
 また、荻野新宿には高校・大学があるため、逆方向の厚木→鳶尾山口も2本増発される。

交換駅は、相模八幡、相模田村、愛甲戸田、厚木、妻田、中荻野、上荻野、愛甲田代で、ある。
また朝の増発時は松連寺・鳶尾山口でも列車交換を行なう。

愛甲線 路線案内へ

編成両数は2連が基本であるが、朝夕は3連・4連も走行する。
特に朝は、車両数の関係で全運用に増結ができないなか、車両を混雑区間に回すため、車両交換と分割・併合を厚木・松連寺・鳶尾山口で行い、運用は複雑化している。
なお、日曜・祝日は厚木〜上荻野の増発はないが、行楽客向けに一部の列車が4両編成になることがある。
これら、列車の編成輌数の変更は松連寺で行うのが基本だが、停車時間の関係で増結ではなく、編成毎交換するのが特徴である。

運用数は、2連が10運用、3連が3運用で、いずれも5日毎の検査周期で運用されている。
昼間時の運用は9運用で、2連車10運用のうち2運用が検査のため1運用分の不足が生じるが、ここには3連運用の車輛が5日ローテンションで運用に入り穴を埋めている(1両開放して2連で運行)。

●愛甲線 平日朝ダイヤ
凡例
■■昼間時以降 平塚中央〜田代 に充当される2連(1〜4) ※1は昼間は定期検査のためZが代替
■■昼間時以降 平塚中央〜半原 に充当される2連(5〜9)
■■朝のみ運用の2連(A)→平塚〜田代系統と同ローテーション
■■朝のみ運用の3連(B〜D) ※このうち1運用が昼間も運用(Z)
■■ 津久井線の運用(■■ 中武電鉄車輛)
※破線区間は回送
※ダイヤ中色付の番号およびアルファベットは、各運用を例示するために便宜上振ったもの

愛甲線 ダイヤ

・創作ノート 分割・併合の魅力
 地方私鉄の魅力の一つに、「種種雑多な車輛が巧みなダイヤ・運用で走る」という点が挙げられると思います。
 しかし、近年は車輛の統一と運用の単純化が進み、こういった鉄道は少なくなり、四国の高松琴平電鉄程度になりました。愛甲線のダイヤ・運用は同電鉄のそれに大きな影響をうけています。15分ヘッドというのは地方私鉄では高頻度な部類に入りますが、更にその間に列車を増発するという点は、このコトデン琴平線で見られます。

 一方、車輛の増結を編成毎交換するというのは、総武流山電鉄や昇圧前の北陸鉄道浅野川線・福島交通飯坂線に倣ったものですが、固定編成化が進んだ現在では逆によく見られるようになったようです。

 混成編成
 生まれも育ちも異なる車輛同士の併結は地方私鉄の魅力だった
 (大井川鉄道)

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