2710形 モハニ2711
●概要
 両運転台の電動車。神奈電の自社発注車である。1967年の改番以前はモハニ501であった。
1両が在籍する。1943年 日本鉄道自動車製。田名車庫(相北線)の所属。

 神奈川電鉄成立後初の新車であるが、発注したのは愛甲鉄道である。当時、平塚に立地した軍需工場への輸送需要が高まっており車両の増備を希望していたが、認められたのは1両に留まった。しかも資材難で入線は遅れ、電装品も運転機器もない付随車で落成している。台枠はその寸法から中古品を流用している模様だが、詳細は定かではない。
戦後、1951年になって、漸く中古の部品(主制御器:国鉄CS3、主電動機:MT4)を使用して両運転台の電動車になった。のちに、主制御器は国鉄CS5に交換している。

 前面は非貫通で雨樋が弧を描いている。これは1940年頃に日本鉄道自動車が製造した、宇部電鉄デハニ350、南武鉄道モハ505・506、武蔵野鉄道クハ5856・5857に共通している。
台車はこれも当時の日鉄自製の車両で見られた国鉄TR23タイプである。パンタグラフは中津側に設置している。
 なお、形式上はモハニであるが、荷物室と客室の間の仕切りは元々扉が無かったうえに現在は撤去されており、また荷物扉も客用扉と同等に改造されているため、実質的にはモハである。

●諸元
形式番号最大寸法
(長×幅×高 mm)
重量(t)台車主制御器主電動機
形式(出力 kW×個数 駆動方式)
制動備考
2710モハニ271117825×2725×411028.5TR23タイプ国鉄CS5国鉄MT4(85.0×4 吊掛)AMA

●車歴
モハニ2711←モハニ501 1943 日本鉄道自動車製

●編成表
2711
(田名)


 
 
随分旧い頃から、怪しげな車両を登場させるために「戦時中に日鉄自で製造した電車」という設定がありました。平塚に日鉄自の工場があったことを知るのは後のことなのですが。今回は設定はそのままに、車両自体は武蔵野クハ5856の後身・蒲原鉄道モハ61の存在を思い出しオーソドックスな車両としました。
 車体のベースとなったのは鉄道コレクション第12弾の銚子電鉄デハ801。これを2両切り継いでいます。
 


 作成途中の画像
 
 神奈電をもう一度 2014年10月
 神奈電をもう一度 2014年11月
 神奈電をもう一度 2014年12月
 神奈電をもう一度 2015年1月
 神奈電をもう一度 2015年2月


▲神奈電の車両 総説・目次 へ
inserted by FC2 system