3820形 モハ3821、3822
●概要
 3820形は片運転台の電動車。奇数号車は中津・津久井川尻側に、偶数号車は半原・淵野辺側に運転台を持つ。もとは富山地方鉄道クハ90形である。
2両が在籍し、奇数車と偶数車で固定編成を組んでいる。1962年 富士重工業製で、1972年に入線した。
田名車庫(相北線)の所属。

 富山地鉄では珍しい3扉両開き扉の通勤車で、制御車のクハ91、92のみ2両が製造された。台車は近鉄名古屋線改軌時に発生した日車D16を履いていた。在来の電動車と編成を組んで使用していたが、もと名鉄3800形の14710形への車両統一に伴い、製造後わずか9年で廃車になった。
 神奈電は、この2両を購入。西武所沢工場で改造のクハ91を方向転換の上で電装、2両固定編成に改造の上で、モハ3821+クハ1822として入線した。床下機器は旧型国電系の機器が取り付けられ、モハの台車と主電動機は当時モハ3637が履いていたもの(DT11、MT15)を台車の振替で捻出。クハの台車および主制御器(CS1)等は西武手持ちのものである。
 その後、1986年に下回りの交換と冷房改造を受けている。改造内容は前年に入線した3770形に準じたもので、制御器は京王帝都電鉄から譲り受けた電動カム軸式の日立MMC-LHTB-20A、台車と主電動機は国鉄から譲り受けたDT21、MT46となった。主電動機の端子電圧が375V・制御器は直並列制御を行うため、クハ1822は電装されモハ3822に改番している。一方、冷房は路面電車用の三菱CU127R(10500kcal/h)を1両当たり3台搭載、電源はモハ3822に専用のSIVを搭載している。このほか、前面向かって左側の窓上に方向幕をした。

 パンタグラフは3821に搭載、連結面側(半原・津久井川尻側)に設置している。

●諸元
形式番号最大寸法
(長×幅×高 mm)
重量(t)台車主制御器主電動機
形式(出力 kW×個数 駆動方式)
制動備考
3820モハ382118810×2744×415035.1国鉄DT21日立MMC-LHTB-20A国鉄MT46(100.0×4 平行)AMA
モハ382218810×2744×410030.0-

●車歴
モハ3821←富山地方鉄道クハ91 1962 富士重工業製/1972入線/1986冷房化
モハ3822←クハ1822←富山地方鉄道クハ92 1962 富士重工業製/1972入線/1986冷房化

●編成表
3821  3822
(田名)


 

 神奈電は各ローカル電鉄で早死にした車両が生き延びていたら・・・ということも表現したいことの一つでしたが、新設定では結局残ったのはこの車両だけになりました。
 鉄道コレクション第7弾の三岐600(西武451)がベースで、扉間の窓を1枚づつ抜き、戸袋窓は埋め、唐竹割で幅を縮めました。高さが不足気味なので、雨どいの上にプラ板を足しています。冷房は鉄コレ11弾の伊予鉄道モハ701のものを光硬化パテで複製したものです。


作成途中の画像
 
 神奈電をもう一度 2010年12月
 神奈電をもう一度 2011年2月
 神奈電をもう一度 2012年7月
 


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