ドイツの主要都市のひとつ、フランクフルト(マイン)から南へ直線距離で約70km。バーデン=ヴュルテンベルク州のマンハイム(人口32万人)とを中心とする一帯をライン・ネッカー都市圏という。ここにはマンハイムのほか、そのライン川対岸にあり双子都市を成すルートヴィヒスハーフェン(ラインラント=プファルツ州 人口17万人)、東南東約20kmに位置するハイデルベルク(人口16万人)の各都市に路面電車がある他、それらと一体化した郊外電車が存在し、全長208kmの路線網を作り上げている。RNV5系統はそんな郊外電車の一つで、マンハイム~ヴァインハイム~ハイデルベルク~マンハイムを三角形に結ぶ路線と、ケーファータール~ヘデスハイムの支線から成り立っている。全長約52km(本線)、6.5km(支線)。軌間は1000mm(メーターゲージ)で架線電圧750Vである。
もともとはオーベルライン鉄道(OEG:Oberrheinischen Eisenbahn-Gesellschaft)という独立した事業者であったが、2000年にはマンハイム市電(MVV:マンハイム交通)の傘下に入りMVV OEGになったあと、2010年にMVVに吸収されている。また、2004年にはMVV、MVV OEGのほかハイデルベルク市電(HSB:ハイデルベルク電軌・登山鉄道)、ルートヴィヒスハーフェン市電(VBL:ルートヴィヒスハーフェン交通)、ラインハールト鉄道(RHB)が出資したライン・ネッカー交通(RNV)が設立され、路面電車・郊外電車は同社の名のものとに運行している。日本における第2種鉄道事業者と第3種鉄道事業者のような関係だと思っていただきたい。
現在は、施設の更新と増強が進み、ヴァインハイム~ハイデルベルクで3か所(および支線の一部)に単線があるほかは複線となっている。また車両は超低床車「Variobahn(バリオバーン)」が主力となっている。鉄道線区間は駅間も長く結構なスピードを出す。日本の地方都市の私鉄郊外電車のような存在である。
(撮影日:2019年10月4日)
RNV5系統の概要と歴史について
・マンハイム→ハイデルベルク
1.マンハイム中央駅とパラーデ広場
2.クルプファルツ橋
3.ゼッケンハイム
4.エーディンゲン
・ハイデルベルク→ヴァインハイム
5.ハイデルベルク中心部
6.ドセンハイム
7.グロスザクセン
・ヴァインハイム→マンハイム
8.ヴァインハイム~フィールンハイム
9.ケーファータール~再びマンハイム
RNVの車両について