3740形 モハ3742〜3745
●概要
電動車で奇数番号車は平塚側に運転台を持つ片運転台車。偶数番号車は両運転台車。もとは京王帝都電鉄のデハ1700形である。
5両が在籍したが1両は既に廃車になっている。1946年 汽車製造製で1973年に入線した。
厚木車庫(愛甲線)または田名車庫(相北線)の所属。片運転台車はいずれも
1800形と2両固定編成を組んでいる。
もともとは東京急行電鉄が東横線のデハ3550形として第2次大戦中に発注していたものであるが、戦争の激化に伴い完成は戦後になった。その際、東横線ではなく1945年5月の空襲で壊滅的な被害を受けた井の頭線にデハ1700形として配置された。1948年の大東急解体後も同線に留まったため、京王帝都の車両になった。その後、1965年に京王線に転属したが、全車両1972年に廃車になった。
神奈電にはデハ1701とデハ1703〜1706が西武所沢工場で改造の上で入線した。このうち1704、1705はパンタグラフが撤去されていたため、入線時に復活。またこの2両は両運転台に改造されている。
東横線では固定編成を組む予定だったので、連結面が切妻なのが特徴である。
そのため、両運転台車も増設運転台側は切妻となっており、前後で形状が異なっている。窓枠はアルミサッシ化済み。
パンタグラフは平塚側にある。
主要機器は入線時に旧型国電系の機器に交換している。主制御器はCS5で西武の手持ち品。台車と主電動機とは、片運転台車がDT10・MT15で国鉄から購入、両運転台車がTR11・芝浦SE102(国鉄MT4)でモハ3735・3736から捻出したものである。
なお、モハ3744は1985年に廃車になった。
●諸元
形式 | 番号 | 最大寸法 (長×幅×高 mm) | 重量(t) | 台車 | 主制御器 | 主電動機 形式(出力 kW×個数 駆動方式) | 制動 | 備考 |
3740 | モハ3743 モハ3745 | 17040×2740×4200 | 38.0 | 国鉄DT10 | 国鉄CS5 | 国鉄MT15(100×4 吊掛) | AMA | |
モハ3742 モハ3744 | 38.3 | 芝浦SE102(85×4 吊掛) | |
●車歴
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モハ3741←京王帝都電鉄デハ1701 1946 汽車製造製/1973入線/1985廃車
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モハ3742←京王帝都電鉄デハ1704 1946 汽車製造製/1973入線
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モハ3743←京王帝都電鉄デハ1703 1946 汽車製造製/1973入線
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モハ3744←京王帝都電鉄デハ1705 1946 汽車製造製/1973入線
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モハ3745←京王帝都電鉄デハ1706 1946 汽車製造製/1973入線
(京王帝都電鉄←東京急行電鉄は省略)
●編成表
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3741 1802
3743 1804
3745 1806
| (田名) (厚木) (田名) |
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3742
| (田名) |
鉄道コレクション第6弾の小田急1600シリーズをベースに作成したもの。前面を非貫通にして窓柱・窓枠を新設。乗務員扉をプラ板から自作したものに交換。連結面はGMの旧型国電用(形式不明)を加工しています。本来であれば、妻板のカーブの分だけ側板を延長するべきなのですが、省略したため全長が実物換算で150mmほど短くなっています。ベンチレータは鉄コレ16段の名鉄3800譲渡車のものを流用しています。
一方、両運転台のほうは、連結面側にも乗務員扉を新設し、妻板はt0.3プラ板から自作しています。なるべく元からあった運転台と同じ寸法の窓を‥という観点で作りましたが、さすがに切妻はゲテモノ感が強くなります。
それにしても、京王線転出後の1700形の資料が少なく、結構製作には難儀しました。昭和40年代はSLブームの一方で私鉄の記録があまり世に出てきていないんですよね・・・。
作成途中の画像
神奈電をもう一度 2011年2月
神奈電をもう一度 2011年11月
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神奈電をもう一度 2013年8月
神奈電をもう一度 2013年11月