入線後の改造


コトデン入線後も使用環境の変化にあわせて改造等が行われている。

・方向幕の拡大(603+604、625+626のみ)
 603+604と625+626(1999年6月入線)の前面の方向幕は寸法が小さく表示窓はHゴム支持であった。これは2000年7月に他車と同寸法のものに拡大された。。

・左が入線時の状態(1999年9月撮影)、右が2000年7月の改造後の状態(2002年12月撮影)。


・車体塗装の変更
 新生ことでんはラインカラー制度を導入した。車両の塗装も旧型車(20、60、750、1000、3000、5000)を除き、上半分がフレッシュホワイト、下半分が長尾線は緑、志度線は赤、琴平線は黄になった。また新しいロゴマークが各車の側面・前面に入れられた。この塗装は、新生ことでん最初の導入車両として2002年12月に長尾線に入線した613+614から採用となった。
 一方、車体の全面広告が開始され、2004年2月に長尾線の605+606が伊藤園「おーい お茶」の広告車となったのを皮切りに各種が実施された。これらにより、登場時の塗装は2006年の623+624を最後に消滅した。
 なお塗装を含めた全面広告は600・700では3例で終わり、その後は元の塗装のまま広告を一部または全体に貼るようになっている。

・パンタグラフの交換
 2004年頃から、入線時に取り付けていたものから、別のものに交換している。
詳細は主要機器類>パンタグラフを参照願う。

・ステップの取り付け
 2006年に長尾線に車体幅が2780mmの中型車が入線することになった。600・700形は車体幅が2500mmのためホームと車体の間の空隙が大きくなる。これを解消するために客用扉の靴擦り附近に大型のステップを取り付けた。

・長尾線および琴平線所属車に取り付けられた
 大型のステップ。画像は606。


・800形への改造
 長尾線に中型車を投入したことにより2006〜2007年に志度線に8両が転属した。このうち2006年9〜10月に転属したもと東山線700形の607〜610は電装解除されて単独の制御車の801〜804になった。

電装解除以外に主に以下の改造を受けている。
・608、610は方向転換。これにより4両とも瓦町側に運転台がある。
・607、609は主制御器・抵抗器等を撤去し、SIVとコンプレッサを新設
・608、610にパンタグラフを搭載
 制御車ではあるが、自車専用の補助電源とコンプレッサがあるため。
・貫通路を埋め窓を新設
・連結面側の車端に車いすスペースを設置
・ジャンパ栓の位置変更

床下機器の配置に関しては、もともとSIVとコンプレッサを搭載していた偶数車は種車をほぼ踏襲している。ただし、車両そのものは方向転換しているため、600形偶数車とは水平方向に180度回転した配置になる。一方、奇数車は多くの床下機器を交換したが、その配置は偶数車と水平方向に180度回転した位置である。これにより600形偶数車と機器の位置が同じになるわけである。
パンタグラフの配線についても、偶数車と奇数車で位置が逆転している(詳細)。車いすスペースの位置も奇数車は右側面側、偶数車は左側面側と反転している。
・(左上) 803の連結面外観(2024年4月)
 (右上) 804の連結面外観(2024年4月)
 奇数車と偶数車で高圧線と鉤外し線の位置が逆になっている。
・(左下) 801の連結面側車内(2007年2月)
 貫通路を埋め窓を設置し、車いすスペースを設けている。


・ジャンパ栓納めの変更・追加(琴平線・長尾線所属車のみ)
 ことでんのジャンパは他の形式と併結を行わない1300形を除いて共通の位置・本数であるが、栓納めの設置とジャンパ(両栓)の常設は長尾線・志度線は長尾・琴平側(2両固定の場合、奇数車前面)に、琴平線は築港側(同、偶数車前面)と異なっていた。したがって、2011年に琴平線に転属した603+604、605+606は、奇数車の栓納めを撤去し、偶数車にそれを新設した。
 一方、2006年に入線した長尾線向けの1200形は、琴平線と同じく築港側に栓納めを設けていた。この結果、琴平線・長尾線で琴平・長尾側に栓納めがあるのは601+602、613+614の2編成のみとなってしまったが、2014年に偶数車に栓納めを新設し、ジャンパも偶数車常設に変更した。ただし、こちらは奇数車の栓納めは撤去されていない (画像は601+602603+604等を参照)。

・転落防止ガードの取り付け
 大都市の路線ではじまった連結面への転落防止ガードの取り付けはことでんにも及び、2014年から各車両に順次とりつけられた。800形の非運転台側にも取り付けられている。

・613+614の転落防止ガード


・台車の交換
 詳細は不明だが、少なくとも724がKH-46からFS-354に、803がFS-354からND-111に振り替えられている。
ND-111は仏生山で仮台車になったものを見ており、予備用として購入したものに履き替えたと思われる。

・座席のモケット交換
 こちらも実施時期は詳細は不明だが、入線時は客室の座席のモケットは灰青色であった。
しかし2010年代に入ってから、一部の車両はモスグリーンのものに交換している。
筆者が確認した限りでは、603+604、621+622、625+626、627+628、629+630、631+632、723+724、803、804で実施されている(2023年5月現在)。
(画像は
車内を参照)。

・ワンマン運転化
 2022年4月16日に志度線でワンマン運転を開始した。ことでんはICカードが既に普及しているため、乗務員が運賃収受を行わない、いわゆる「都市型ワンマン運転」となった。これに伴い同線の600形と700形は自動放送の追加、発車ブザーの追加、方向幕への「ワンマン」表示の追加などが行われた。2023年3月18日には長尾線でもワンマン運転を開始し、同線の車両も志度線同様の改造を受けている。ただし「ワンマンの表示」方法が異なっている。
 なお、制御車の800形は対象から外れ、平日朝に1往復するのみとなった。しかしこれも2023年1月27日限りで廃止され、全車両が定期運用を持たない状態になっている。


・履歴
2024.4.21 「800形への改造」連結面側の画像を交換。「座席のモケットの交換」の画像を削除。交換例に803を追加)。
2024.4.13 「座席のモケットの交換」を更新(621、622を追加)。
2023.5.13 「座席のモケットの交換」を追加。
2023.5. 3 「ステップの取り付け」に画像を追加、「ワンマン運転化」に長尾線に関する記述を追加。
2023.2.15 「パンタグラフの変更」を追加
2023.2.5 作製

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